伝説のFAX大事件簿

Posted by 安達 かおる

昭和のハイテクに敗北した、純粋すぎるバイト君の話

私の大学卒業は1976年。日本がオイルショックの荒波を越え、「よっしゃ、これからバリバリ稼ぐぞ!」と全国民が鼻息を荒くしていた時代です。
まともな就活をカットした私は幸運にも3月末ギリギリでテレビ番組制作会社に潜り込んだのですが、当時の通信手段といえば「固定電話」が絶対者として君臨。そこに「ポケベル」なる魔法の箱が登場し、「外出中なのに連絡がつくなんて、SF映画かよ!」と震えたものです。

そんなサラリーマン5年目のある日、ついに「FAX」という超兵器がオフィスに降臨しました。 「郵便を使わずに、テキストがそのまま相手に届く? どうなってるの?」 もはや魔法使いにでもなった気分でした。

事件は会議室ではなく、FAX機の前で起きていた。

ある日のこと。社長からバイト君へ「テレビ局のお偉いさんに、至急この書類をFAXしろ」と勅命が下りました。
私は別室で作業していたのですが、突如、その「偉いさん」から私宛に電話が。 受話器を取るなり聞こえてきたのは、怒髪天を突く勢いの怒声でした。

遠まわしではあったものの怒声を要約すると、「キミの会社は、私をバカにしてるのか!!(怒)」

……はて? 何のことやら。 嫌な予感がして、私はFAXが鎮座する部屋へ猛ダッシュしました。そこには、取扱説明書を片手に、必死の面持ちで機械と格闘するバイト君の姿が。
私はしばし足を止め、彼のアクションを凝視しました。 すると、驚愕の真実が判明したのです。

「戻ってくる」という名の絶望

バイト君は、何度も、何度も、同じ書類を機械に吸い込ませては、吐き出された紙をキャッチして首を傾げています。
バイト君:「……おかしいです。何度送っても、書類が戻ってきちゃうんです。」
私:「あのな~……」
そう。 紙が手元に残る=送信失敗。 彼は、律儀にも「相手に届くまで」と、同じ書類を何十回も送り続けていたのでした。
そりゃあ、受け取り側のお偉いさんもブチ切れます。 「同じ紙が無限に吐き出されてくるんだが、嫌がらせか!!」と。

あれから数十年。今やスマホ一つで動画すら一瞬で送れる時代です。 「便利になったもんだなぁ」としみじみ思いますが、便利すぎるがゆえの「現代の困った事態」もまた、増えているようで……。
(続く……)

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